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財団法人 モラロジー研究所
このページの管理人 御幸範義

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第七冊 ( 全十冊内 )

第十四章　最高道徳の原理・実質及び内容（第一項〜第九項）

第七冊

第十四章　最高道徳の原理・実質及び内容（第一項〜第九項）
第一項　最高道徳の淵源《えんげん》及びその最高道徳における自己保存の意味
　第一節　モラロジーは品性完成の科学にして最高道徳の理解及び実行によりてその目的を達成す
　第二節　モラロジーは天爵享受の科学にして最高道徳の理解と実行とによりてこれを実現す
　第三節　モラロジーは科学なれば研究と理解とにとどまるべきも最高道徳はその実行をもって生命となす
第二項　最高道徳の範囲
第三項　最高道徳は従来の因襲的道徳実行の上にこれを実行すべき性質のものなることを述ぶ
　第一節　因襲的道徳の形式は依然これを存するも、その精神を改むるときは最高道徳となることを明らかにす
　第二節　最高道徳は因襲的道徳の形式中、人類の発達及び幸福に必要なるものを尊重す
　第三節　最高道徳にても因襲的道徳にて尊重するところの人間の力及び制度をば尊重す
　第四節　因襲的道徳と最高道徳との精神作用の表現の相違
　第五節　最高道徳においては従来の道徳的形式を急激に改むることをなさず
第四項　最高道徳の実行を必要とする理由
　第一節　人間に道徳の実行を勧むる原理の変遷　第二節　最高道徳の実行は時代の要求に伴う人類生活の至要原理なり
　第三節　最高道徳の実行は周囲の事情に関係なし
第五項　最高道徳の基礎的観念の第一は正義及び慈悲にあること及びその両者の作用
　第一節　正義及び慈悲の淵源〈学問上より見たる神の本質〉
　第二節　正義はいわゆる自然法にして、その本質は神の心であるとの学説及びこれに対する聖人の教説
　第三節　正義は人間の本性なりとの教説〈性善説の起原〉
　第四節　宇宙的正義と人間的もしくは社会的正義との実質
　第五節　聖人の教説より見たる宇宙的正義の実質
　第六節　宇宙的正義と神の慈悲の性質
　　第一目　序説
　　第二目　最高道徳の実質の核心としての慈悲の意味
　　第三目　人間の慈悲心が最高道徳の実質の核心たる理由及びその慈悲心実現の価値
　第七節　正義と同情・親切・憐憫《れんびん》もしくは義侠心《ぎきょうしん》
　第八節　慈悲と忍耐・克己もしくは熱心との比較
　第九節　最高道徳は正義の実現を目的として自己の慈悲〈犠牲〉を方法とす
　　第一目　不道徳的方法・普通道徳的方法及び最高道徳的方法
　　第二目　正義の基礎に立つ慈悲とはいかなることをいうか
　　第三目　故に真の慈悲には真の勇気を伴うを要す
　　第四目　人類は何故に慈悲心によるところの犠牲的行動を必要とするか
　　第五目　最高道徳による平和及び幸福実現の方法
　　（一）現代一般人の道徳観念の誤りと最高道徳における平和実現の方法
　　（二）更に現代人の正義過信の誤りを指摘し且つふたたび最高道徳における平和実現の方法を説く
　　（三）他人の欠陥に対し質的及び量的にこれを補充す
　　（四）最高道徳においては自己の犠牲的行為をもって他人を助くるものとなさずして自己を助くるものとなす
　　（五）相手方もしくは第三者が愚昧《ぐまい》もしくは不正なる場合これに対する自己の精神作用及び行為
第六項　最高道徳における基礎的観念の第二は人間の人格及び権利発生の原因をもって義務の先行に帰するにあり
　第一節　人格及び権利発生の原理を知悉《ちしつ》する必要
　第二節　人格及び権利の発生に関する中国法の原理
　第三節　人格及び権利発生に関する最近科学の原理
　第四節　義務先行説
　第五節　義務先行説の原理に基づく権利発生の原理
　第六節　神授王権説及び天賦《てんぷ》人権説の自然的消滅
　第七節　デュギーの社会連帯説及びムッソリーニの義務唯一説 　第八節　権利濫用の無謀
　　第一目　シェイクスピアの戯曲『ヴェニスの商人』に対するイエリングの批評
　　第二目　権利の濫用を戒む
　第九節　義務先行説の原理より最高道徳の原理の発生を考察す
第七項　最高道徳実行の基礎的原理
　第一節　最高道徳実行の原理の基礎は科学的なり
　第二節　人類の行動は自己がこれをなすにあらずして自然の法則〈すなわち宗教的にいえば神の力〉に支配せらるるものなりとの観念をもって最高道徳の実行的原理となす
　第三節　自己の運命の成立せる原因を自覚し併せてその運命の全責任を自己一人にて負うことをもって最高道徳の実行的原理となす 　第四節　神に一致する人間の最高品性の形成は、まずこれを自己より始むるを要す
　第五節　最高道徳の実行的原理は天を畏《おそ》れ且つ天を楽しむ精神及び行動によりて表現せらる
　　追加文（三〇）天命を畏《おそ》るることにつきての参考
　第六節　最高道徳の実行的原理は自ら苦労してその結果を他人に頒《わか》つの精神及び行為によりて表現せらる
　第七節　最高道徳の実行的原理は人間の秩序尊重の精神及び行為によりて実現せらる
　第八節　最高道徳の実行的原理は自我の没却によりて実現せらる
　　追加文（三一）自我没却の参考（人心、道心、性善説、性悪説）
　　追加文（三二）我慢心はわが身を滅ぼすこと 　第九節　最高道徳の実行的原理は人間の絶対服従の精神及び行為によりて実現せらる
　第十節　最高道徳には諫諍《かんそう・いさめあらそう》の原理ありや
第八項　最高道徳は絶対神の存在を認む
　第一節　いわゆる絶対神の説明
　第二節　最高道徳は何をもって神〈本体〉の存在を認むるか
　第三節　神と仏との異同
　第四節　宇宙根本唯一の神
　第五節　現神《あきつみかみ》
　第六節　現神ありて宇宙根本唯一の神すなわち本体の観念を生ず
　第七節　神の実質に関する考察と人間の信仰的生活及び道徳的生活
　第八節　最高道徳は自ら神の心を体得し自ら聖人となりて福を神より享《う》けんとする道徳なり
　第九節　神に対する要求的信仰は普通道徳に属し神の心を体得且つ実行する信仰は最高道徳に属す
　第十節　最高道徳においては一切の事物を神聖なるものとして尊敬し且つ自己一切の精神生活及び行動を神の恩恵の結果としてこれを感謝す
　第十一節　最高道徳における神を礼拝する方法
　第十二節　神を信ずることは必ずしも宗教の専有にあらず
　　追加文（三三）絶対神の存在、人間がその階級を上《のぼ》る方法
第九項　最高道徳にては伝統を重んず
　第一節　伝統の意味
　第二節上　伝統の種別
　第二節下　伝統表
　第三節　伝統に対する報恩の原理
　第四節　最高道徳における伝統に関する教育法
　第五節　忠・孝及び報恩は伝統尊重の観念に立脚してはじめて最高道徳となる
　第六節　日本における忠義の観念の変遷〈大和魂《やまとだましい》・武士道、新渡戸《にとべ》博士の著書及び大石良雄《おおいしよしお》の事跡〉
　第七節　旧来の忠義もしくは愛国思想をもってしては国家を統一すること難し
　第八節　特に国家伝統の重要なる理由を述ぶ
　第九節　国体・政体及び民族性を異にするも伝統の原理は同一なることを述ぶ
　第十節　近世ドイツ帝国の成立の原因及びその崩壊の原因を略記して国家伝統に関する教育の世界各国の国民に必要なることを述ぶ
　第十一節　英国及び北米合衆国を主として全世界各国の識者に対して国家的伝統の原理を研究・体得且つ実行されんことを望む
　第十二節　従来における孝道の原理を変化して伝統の原理となすべきことを述ぶ
　第十三節　精神的伝統
　　追加文（三五）上　帝道及び王道の主権相続法を再検討し、モラロジー団体の組織の大要を説明し、且つ天爵の意味とこれを得る方法とを説明す
　　追加文（三五）中　精神伝統に対する至誠の有無はその結果に大差あることより人間進化の真の方法、予のモラロジー建設の理由、郡是《ぐんぜ》製糸会社の成功の原因、及び世の識者はまさに郡是製糸会社社長の精神を学ばねばならぬことを述ぶ
　　追加文（三五）下　精神伝統に同化するものにしてはじめて真の永久性及び末弘《すえひろ》性あること、ならびに神仏及び聖人といえども進化の法則に洩《も》れざることを述ぶ
　　追加文（三六）古聖人の実行における伝統尊重の事跡
　第十四節　精神的伝統と普通の師との区別
　第十五節　国家的・肉体的及び精神的三伝統の軽重
　第十六節　伝統の原理を体得する人と、これに離れたる人との品性の相違
　第十七節　伝統の原理を体得すると然《しか》らざるとの区別は真に開発されておるかおらぬかの標準となること及び伝統の原理を体得せざる人は異端に迷わされやすきこと
　第十八節上　精神的伝統における顕在的伝統と潜在的伝統との区別
　第十八節下　潜在的伝統として永久に真の信仰を受くるものはかえって尊し
　第十九節　神の名・宗教の名その他これに関係ある事物の名を潜在的に信仰し、もしくはこれを潜在的に取り扱う場合には神の救済を受くることあたわざるか
　第二十節　準伝統の原理
　第二十一節　伝統保持の原理と世界の平和
　第二十二節　伝統に対する報恩の具体的方法　第二十三節　伝統に対する報恩行為とその結果
　　追加文（三四）上　上の人は下の人に対して服従の必要なきや否やの問題
　　追加文（三四）下　人の上に立つ人々の誤れる観念と行動とその悪結果

第八冊 ( 全十冊内 )

第十四章　最高道徳の原理・実質及び内容（第十項〜第三十二項）


第八冊

第十四章　最高道徳の原理・実質及び内容（第十項〜第三十二項）
第十項　最高道徳は純粋正統の学問に依拠して人間の精神に対し真の開発をなすことをその究極の目的となす
　第一節　純粋正統の学問の意味
　第二節　開発の意味
　第三節　従来行われたるところの正統及び異端の意味
　第四節　純粋正統の学問の淵源《えんげん》すなわち純粋正統の学問における第一原理
　第五節　純粋正統の学問における第二原理
　第六節　純粋正統の学者及び純粋正統の学問
　第七節上　近世における自由・平等及び博愛説の発生と異端説の旺盛《おうせい》
　第七節下　経済上における異端説
　　追加文（四〇）経済と道徳との関係
　　追加文（四一）財政及び財政学
　第八節　現代の青年もしくは思慮浅薄なる人々の間において理解しやすき正義に類する種々の主張はみな異端に属す
　第九節　モラロジーにていわゆる正統は時代によりて変遷しもしくは場所によりて変化するものにあらず
　第十節　国家もしくは社会の実際問題に対する純粋正統の学問の価値
　第十一節上　純粋正統の学問は人類の発達及び幸福に関するすべての原理を包含するをもってその特色となす
　第十一節下　純粋正統の学問としてのモラロジーに立脚して政治学・法律学及び経済学の研究をなすを要す
　第十二節上　モラロジー教育の価値一
　第十二節下　モラロジー教育の価値二
　　追加文（四四）知識階級もしくは上流階級の人々の最高道徳を受容し得ざる理由の説明の補遺
　第十三節　純粋正統の学問に基づける世界人心の開発法その一
　策十四節　純粋正統の学問に基づける世界人心の開発法その二〈世界における大学の起原、その教育法及び将来における大学教育法の基礎原理〉
　第十五節　政治・教育・宗教もしくは実業界における団体の腐敗は正統の学問の欠乏に基づく
　　追加文（三七）正統の学問は何人《なんぴと》にも必要なること
　第十六節　モラロジーの最高道徳における開発と救済との関係
　第十七節　モラロジーを基礎として最高道徳的に人間の精神を開発する具体的方法
　第十八節　品性を完成し功徳《くどく》を人類社会に樹立する究極の方法は世界人心の開発にあり
　　追加文（三八）『貞観政要《じょうがんせいよう》』の要旨（純臣登用の必要）
　　追加文（三九）政治及び教育の根本原理
　　追加文（六四）アメリカ及びイギリスにおける倫理協会及び世界各国における種々の教育施設に対する批判（人間及び事物の本質の改善は形式の変化のみにて得られざること）
第十一項　最高道徳の実行は自己の救済さるることに帰着す
　第一節　最高道徳におけるサルヴェイション（salvation 人心救済）という語の意味
　第二節　人類に対する人心救済の重大なる使命
　第三節上　最高道徳における人心救済の方法一
　第三節中　最高道徳における人心救済の方法二
　第三節下　最高道徳における人心救済の方法三
　　追加文（四五）物質救済に関する補足
　第四節　真に救済されたる人とはいかなる人か
　　第一目　真に救済されたる人とは生命を有する最高道徳の実行者にて他人を救済し得る人である
　　第二目　其に救済されたということは最高道徳の全部の実行の出来たときである
　　第三目上　真に救済された人の精神作用、その行動及びその品性
　　第三目下　真に救済されたる人の精神は消極的でなければならぬ
　第五節　自己の救済されし程度もしくは範囲内においてのみ他人を救済し得
　第六節　人間の純粋なる誠の心とは人心救済のために努力するにあり
　第七節　自ら苦労して得たるところの結果を人心救済に提供するをもって人間の純粋の誠の心となすことを述ぶ
　第八節　人心救済実行の効果
　　第一目　人心救済実行の効果と因果律
　　第二目　宗教を信じ、これに向かって資財を投ずれば幸福ありという原理
　　第三目　人心救済の実行は真に天爵を修めて人爵これに従うの原理に一致す
　　 第四目　普通道徳は往々損失を招き人心救済は必ず幸福を生む
　　第五目　人心救済の事業は最後において必ず成功し且つ真の慈悲心にてこれを行うものは併せて自己の家業もしくは職務にも成功す
　　第六目　最高道徳の人心救済は結局自己の幸福を全うすることに帰す
　第九節　学力・知力・金力・権力もしくは社会における高き地位は人心を救済するに妨害となるや
　第十節　人心救済の動機及び目的によらざる行動は最高道徳となすに足らず
　第十一節　人心救済の動機及び目的によらざる人道主義及び功利主義は今後の社会に価値を有せず
　第十二節　人心救済は宗教団体の専有にあらず
　　追加文（四二）人心の開発及び救済（指導階級にまで上らねば人生に十分の価値なきこと）
　　追加文（四三）人心の開発もしくは救済の効果（貧女の一灯及び中国の実例）
第十二項　最高道徳は階級及び世襲の制度を是認す
　第一節　人類社会における自然的階級及び人為的階級
　第二節　人間の精神力と階級制度の将来
　第三節　世襲制度
　第四節　階級制度と上流人
　第五節　男女間に階級ありや否やの説明
第十三項　因襲的道徳は利己主義のためにのみ苦労し、最高道徳は自己の保存及び発達のためのほか更に人心の開発もしくは救済のために苦労す 第十四項　最高道徳は至誠に事《つか》えて人間に事えず、伝統を主として権力を次とす
第十五項　最高道徳は金銭・物質・権力及び無用なる虚礼に比較して人間の人格を尊重す〈人間が富を得ることの甚だ容易なる理由をも述ぶ〉
第十六項　最高道徳は道徳を主とし学・知・金・権を次とす
第十七項　最高道徳は各個人における先天の気質及びその運命を改善し、もって世界平和の目的を達せんとす
第十八項　最高道徳は積徳を尊ぶ
第十九項　団体の統一は最高道徳にあらずんば永久に成立せず
第二十項　最高道徳は自己の名利を求むるために特に他人を煩わすことをなさず 第二十一項　最高道徳は全体的に他人の幸福を進むることを目的とし、且つその動機・目的及び手段を重要視す
第二十二項　普通道徳の実行は苦心多く、最高道徳の実行はかえって苦心少なし
第二十三項　最高道徳は民衆の開発もしくは救済を唯一の目的となせど、その方法としては指導的階級の開発もしくは救済を急務となす
第二十四項　民衆の勢力が中流以上を支配するという原理よりして最高道徳の民衆に必要なることを述ぶ〈付、最高道徳は国体・政体その他制度の形式に拘泥《こうでい》せざること及び労働問題に関する注意〉
　　追加文（二九）義務先行説の参考、階級闘争の説明の補足ならびに正義のみにては滅亡することを明らかにす
第二十五項　最高道徳は自己・相手方及び第三者のいずれにも幸福を与うるを目的とす
第二十六項　最高道徳は無為にして人を感化す〈言うことと行うこととは易《やす》く精神作用が難《かた》いということをも述ぶ〉
第二十七項　最高道徳の至誠はよく無より有を生ず
第二十八項　最高道徳は宗教社会にていわゆる信仰生活と同じからず
第二十九項　人間の物質的生活における日常必需品及びその他の需要品の選択に関する最高道徳的方法
第三十項　最高道徳は科学の原理に一致せざるところの妖術《ようじゅつ》・降神術等の反自然的行為及び宗教的行為によりて治病もしくは開運を説くことを許さず 第三十一項　最高道徳における科学的安心立命
　第一節　品性の完成を主として欲望に熱狂することをやむれば、おのずから確実なる安心を得且つ具体的に幸福を享受し得べし
　第二節　従来の道徳及び信仰における品性完成の方法と幸福享受の方法とは矛盾し、最高道徳における両者の方法は一致す
　第三節　自我を没却して神に同化せば、おのずから確実なる安心立命を得且つ具体的に幸福を享受し得べし
第三十二項　最高道徳における唯心的安心立命
　　追加文（六五）利己的本能に関する重大なる注意
　　追加文（六七）実際と学問との関係、モラロジーの本質、伝統の原理及び至誠と慈悲との再説

第九冊 ( 全十冊内 )

第十五章　最高道徳実行の効果に関する考察

第二巻　最高道徳の大綱（Synopsis of the Supreme Morality）
第一章　最高道徳実行の諸項目の制定さるるに至りし原因及び順序
第一章 から 第十章　
第十章　最高道徳の実行及び本書における事実の断定につきて


第九冊


第十五章　最高道徳実行の効果に関する考察
第一項　人間の精神作用及び行為の因果律に関する研究の進歩
　第一節　モラロジーにおける因果律の確立は畏《おそ》れ多くも日本皇室の万世一系の研究にその端緒を発す
　第二節　従来の倫理学における研究法とモラロジーにおける研究法との差
　第三節　人間の精神作用及び行為に対する善悪の標準を定むるにあらずんばその因果律の有無を説明するを得ず
　追加文（五六）道徳の標準を定むる必要
　第四節　従来の倫理学における動機論の弊害、人間の精神作用軽視の弊害及びモラロジーにていわゆる精神作用の意味
　第五節　人間の精神作用及び行為の因果律に関する一般人の誤解
第二項　信仰もしくは道徳上における因果律に関する古来の教説及び研究
　第一節　キリスト教・仏教及び儒教における因果律の教説
　　追加文（六九）自然律に対する罪悪と人為法に対する罪悪との軽重
　第二節　カントの道徳的因果律
　　追加文（五五）霊魂不滅に関する説明
　第三節　エマスンの報償論
　第四節　杉浦重剛《すぎうらじゅうごう》先生の理学宗
　第五節　近世における科学的研究に基づくところの道徳実行の結果に関する学説
　　追加文（五四）大歴史家ランケの因果説
第三項　人間の名誉及び社会階級の原因に関する標準の変遷と人間幸福享受の方法の変化
第四項一　自然物と人間とにおける困果律の相違
第四項二　普通道徳の実行と最高道徳の実行とにおける因果律の相違
　　追加文（五三）利己的本能に基づく道徳の実行と天地の公道に基づく道徳の実行との結果の差、至誠・慈悲及び自己反省等の意味、付、予の過去における最高道徳実行の結果
第四項三　自我の没却〈最高道徳〉と利己主義〈普通道徳もしくは不道徳〉とにおける因果律の相違に関する再説
第四項四　国家の統一もしくは世界平和の実現のごとき大善事に対する努力と個人の精神生活もしくは物質生活に対する救済との結果の相違
第四項五　いかなる場合にても道徳に立脚するものついに克《か》つべく且つその道徳は国家的及び世界的なるものついに克つ
第五項　積善の家及び積不善の家
第六項　善悪累積の結果
　　追加文（五八）善事累積の効果
第七項　軽微なる善悪累積の結果はいかなる径路を取りて現るるや
第八項　盛衰興亡の標準より推《お》してその盛衰興亡の結果を予知し得ること
第九項　道徳を含まざる人間の力の結果はときに強大なるもその持続の時間短くして且つ単に一部分的成功にすぎず、道徳実行の結果はたとい一時は弱小なるも永久性・末弘《すえひろ》性及び審美性を有して最後の幸福を生む
第十項　人間の力は「より後」に至るほど「より強大」にして道徳は「より前」に行うものほど「より尊ばる」
第十一項　知識余りありて道徳これに副《そ》わざるものの末路
　第一節　知識を偏重して精神に安定なきもの及びその他才知ありて道徳的欠陥を有するものの末路
　第二節　中流以下のものの出世と滅亡との径路
　第三節上　自己の知力及び才能に任せて自己の事業もしくは団体の事業にのみ努力するものの末路
　第三節中　知識余りあるも二重の徳なきものは真に永久の幸福なし
　第三節下　知力のみをもって建設せる団体の運命 　第四節　道徳の実行が社会の地位及び財産に比例して進まざるものは亡ぶ
　第五節　自己当然の義務を道徳と誤解して最高道徳を行わざるものの末路
　第六節　法律を守るのみにて幸福を享受し得べしと誤想せる人々の末路〈付、上流人に対する一つの注意〉
　第七節　今日のいわゆる知識階級の末路と聖人の遺範《のこせるきそく》〈孔子の少正卯《しょうせいぼう》を誅《ちゅう》せし理由〉
　　追加文（五九）孔子の少正卯を誅せし記事補遺（ジャーナリズムの弊害に関する説明）
第十二項　偏狭・頑固・陋劣《ろうれつ》且つ極端なる節倹家の末路
第十三項　いかに普通道徳的に完全なる行動をなすも最高道徳に反するものもしくはこれを実行せざるものはついに必ず亡ぶ 第十四項　創業・守成ともにその方法を同じくするものは亡ぶ
　　追加文（六〇）創業と守成とに関する『貞観政要《じょうがんせいよう》』の記事
第十五項　最高道徳実行の結果は極めて確実にして且つ永久性を有す
第十六項　最高道徳実行の報酬は普遍的なり
第十七項　最高道徳の権威
　第一節　最高道徳は知識卓越して種々の有用なる事業に従事するもの及び普通道徳的努力を積みて成功せしものを救済してその晩節を全うせしむ
　第二節　最高道徳は全世界に卓越せるすべての善人もしくは賢者をして改心せしむる権威を有す
第十八項　最高道徳の実行に対して顕著なる効果を現せし有名なる実例〈袁了凡《えんりょうぼん》の事跡〉
第十九項　最高道徳の実行と健康及び長寿
第二十項　最高道徳と運命の改善〈併せて神仏の信仰と開運との関係を記す〉
第二十一項　最高道徳の実行と子孫
第二十二項　最高道徳の実行と天災及び人禍
第二十三項　最高道徳はいわゆる黄金世界を実際に現出するものなりや否や
第二十四項　最高道徳の真髄に対して真の諒解《りょうかい》を誤ることなかれ
　　追加文（四八）因果律上の重要注意
　　追加文（四九）各個人の階級の生ぜし原因及び人間実生活の標準は自然の法則にあること 　　追加文（五〇）人の盛衰は運命により、運命は積徳によることを明らかにす
　　追加文（五一）諸葛孔明《しょかつこうめい》の目的不達成と中国の国体とにつきて（帝道及び王道の再説）
追加文（五二）学問上、千古《せんこ》の謎《なぞ》であったところの司馬遷《しばせん》の疑惑を解く



第二巻　最高道徳の大綱（Synopsis of the Supreme Morality）


第一章　最高道徳実行の諸項目の制定さるるに至りし原因及び順序

第二章　最高道徳実行の根本原理
（一）深く天道を信じて安心し立命す
（二）現象の理を悟りて無我となる
（三）自ら運命の責《せ》めを負うて感謝す

第三章　最高道徳実行の第一根本精神
慈悲にして寛大なるこころとなり且つ自己に反省す

第四章　最高道徳実行の第二根本精神
（一）父母の心をもって人類を愛す
（二）我《われ》これをなすにあらずして、ただこれに服するのみ
（三）他を救うにあらずして己れを助くるにあることを悟る
（四）意《い》なく必《ひつ》なく固《こ》なく我《が》なし
（五）大法は心にあり小法は形にあり

第五章　最高道徳実行の根本原理及び根本精神を表現する主要事項
（一）天爵を修めて人爵これに従う
（二）篤《あつ》く大恩を念《おも》いて大孝を申《の》ぶ
（三）人心を開発して品性を完成す
（四）祖先は我《われ》を生み土地は我を養う
（五）広く開発し、しこうして深くこれを救済す

第六章　最高道徳実行の根本原理及び根本精神を表現する主要方法
（一）順応し同化し且つ絶対服従す
（二）忠誠に努力して要求せず
（三）犠牲を先にして祈願しもしくは依頼せず
（四）自ら苦労してこれを人に頒《わか》つ
（五）言外の真理を悟りてこれを行う
（六）地位と道徳と両者併せ進む

第七章　最高道徳実行の目的
人格と肉体と両者《ふたつのもの》併せて尊ぶ

第八章　最高道徳実行上の注意条件
（一）まず精神を造り次に形式を造る
（二）邪を破らずして誠意を移し植う
（三）率先善を認め勇を鼓《こ》してこれを貫く
（四）秩序を確守して自由を尊重す
（五）実神《じっしん》と現神《げんしん》とを併せてこれを尊崇す
（六）頭上《ずじょう》に物を戴《いただ》き敬《うやま》い虔《つつし》みこれに服す
（七）実行を主として道に聴き途《みち》に説かず
（八）慈悲、法を説き知と情とを用いず
（九）全く物の欲を離れ更に我慢なし
（一〇）真理と人格と調和して併せ尊ぶ
（一一）精神を改むるを主とし適材を適所にもちう
（一二）言うことは易《やす》く行うことも易く心事《こころづかい》は極めて難《かた》し
（一三）歴史を尊重して推移《よのうつりかわり》を稽《かんが》う
（一四）人道を恢弘《かいこう・ひろむる》して平和を助長す
（一五）徳を尚《たっと》ぶこと学・知・金・権より大なり
（一六）動機と目的と方法と誠を悉《つく》す
（一七）大小の事変みな箴戒《しんかい》となす
（一八）断えず向上して身を終えるまで努力す
（一九）我《が》を棄《す》てて即行《そくこう》し歓然《かんぜん》として迎合す
（二〇）上は心を救うを主とし下は物を捧《ささ》ぐるを主とす
（二一）一つの念《おも》いも一つの行《おこな》いも仁恕《じんじょ・おもいやり》を本となす
（二二）中恩は永く酬《むく》い小恩は忘れず
（二三）衆心合《がっ》せざれば、すなわち形を造らず
（二四）人を苦しめて堅・美・完全を期せず
（二五）主義を超越して善悪併せ済《すく》う
（二六）持久《じきゅう》微善を積んで撓《たゆ》まず
（二七）大善を行い一躍して聖位《ひじりのくらい》に登る
（二八）出金を拒《こば》まず、ただし徳を積むを主とす
（二九）特に道話を尊び大にも小にも必ず酬ゆ
（三〇）賢・善・富・貴の滅亡を救う
（三一）精神温《あたた》かく和《やわ》らかにして言《ことば》も行いも重《ていねい》にして厚《あつ》し
（三二）喜色面《かお》に満ち威《い》ありて猛《たけ》からず
（三三）温情春のごとく善人敬い慕う
（三四）心機《こころのはたらき》旺盛《おうせい・さかん》にして世を済《すく》うを楽しみとなす
（三五）喋《ちょう・しゃべる》と黙《もく・だまりこみ》と頑《がん・がんこ》と柔《じゅう・くにゃくにゃ》と緩《かん・ぬらぬら》と急《きゅう・せっかち》と調和す
（三六）政策を用いずして真理に服従す
（三七）公平を尊ぶ、しかし円満を失わず
（三八）調和を主とす、しかし妥協を辞せず
（三九）深沈《しんちん》にして自ら重んじ且つ熟慮して断行す
（四〇）原因を追わずして後を善《よ》くすることを図《はか》る
（四一）陰微《他人のひみつ》を発《あば》かず黙し秘して誠を尽くす
（四二）人間を尊重すれども物質を軽《かろ》んぜず
（四三）個性を尊重すれども団体を軽んぜず
（四四）他人を愛育して併せて自存《じそん》を図る
（四五）深く親近《しんきん》を愛して力を社会に尽くす
（四六）自己を抑損《よくそん》して賢と良とを推奨す
（四七）材知に任せて驥足《きそく・よきうまのあし》を伸《の》べしむ
（四八）売るにも買うにも争わず他人を尊重す
（四九）自己の好悪《こうお》をもって他《ひと》に強《し》いず
（五〇）生物を殺さず、仁《めぐみ》草木に及ぶ
（五一）苦悶《くもん》の中に自暴自棄《じぼうじき》せず
（五二）大事にはよく耐え小事には怒らず
（五三）一長に誇らず心を虚《むな》しくして短を補う
（五四）天然《てんねん》と人為《じんい》とを調和して併せ用う
（五五）名節を尚《たっと》ぶ、しかれども実利を害せず
（五六）習慣に従《したご》うて異装し虚飾せず
（五七）永久を期して全体の幸せを図る〈耐久家屋の意味の説明を含む〉
（五八）能率必ず挙《あ》がり自らも他《ひと》も幸福となる
（五九）生産も消費も労も資も調和す〈労働問題の道徳的解決法〉
（六〇）労をも資をも神に捧《ささ》げて施恩を思わず
（六一）一夫と一妻と結婚は理に従う
（六二）胎教は徳を積ましむるにあって善を教うるにあらず
（六三）大と小と権《ごん》と実《じつ》と自と他とを兼ね行う
（六四）偉人と民衆とを併せてこれを敬し愛す
（六五）創業《そうぎょう》にも守成《しゅせい》にも苦労して人を愛す
（六六）身《しん・おこない》口《く・ことば》意《い・こころ》一致して責任を尽くす
（六七）途中には困難ありて最後には必ず勝つ
（六八）豹変《ひょうへん》誠を悉《つく》し蛇頭《だとう》にして竜尾《りゅうび》
（六九）悪《あ》しき俑《よう》を作らず陰徳を念となす
（七〇）事業誠を悉《つく》し救済を念となす
（七一）盛時には驕《おご》らず衰時には悲しまず
（七二）言《ことば》にも行《おこな》いにも贅《ぜい・むだごと》なく累積して徳を成す
（七三）一切の行動救済を完《まっと》うするに帰《き》す
（七四）形は苦しみ心は喜び徹底して《おわりに》光を発す
（七五）半世は徳を積み半世はこれに培《つちか》う
（七六）無用の力を省《はぶ》き需用に応ず
（七七）誠意を尽くして干渉を行わず
（七八）小人を戒飭《かいちょく》するは最初にあり
（七九）物質は限りあり大道は限りなし
（八〇）小技は助けを叫《さけ》び大道は人を導く
（八一）群集に交わらず雑沓《ざっとう》に混ぜず
（八二）長短を比較して長余《あま》ればすなわち善なり
（八三）古《いにしえ》は死して犠牲となり今はすなわち否《しか》らず
（八四）自ら実行を期してのちにはじめて聖人を思う
（八五）自他を論ぜず全く欲心を脱す
（八六）多知のひとかえって小人《しょうじん》の弄《もてあそ》ぶところとなる
（八七）常に昵近《じっきん》に聴き兼ねて大人《たいじん》に聴く
（八八）道徳は犠牲なり相互的にあらず
（八九）泰然《たいぜん》道を聴き些事《さじ・すこしのこと》を顧《かえり》みず
（九〇）大人は諛《へつら》わず小人は雍蔽《ようへい》す《おおいかくす》
（九一）深遠の信仰は科学と合す

第十冊 ( 全十冊内 )

道徳科学の論文の付録
　　廣池博士の学問上における経歴

広池先生にこの小冊子を捧ぐ
『道徳科学の論文』第二版 ― 追加文目録


第十冊

道徳科学の論文の付録
　　廣池博士の学問上における経歴

広池先生にこの小冊子を捧ぐ

第一章　博士の出身地及び修学の概要
第二章　京都における奮闘的力学
第三章　『古事類苑《こじるいえん》』の編纂《へんさん》事業に従事す
第四章　博士の専門学に対する研究の進歩と早稲田大学との関係
第五章　東京における博士の努力
第六章　博士の処女作たる『中津歴史』
第七章　『中国文典』の著作
第八章　『てにをはの研究』
第九章　『東洋法制史序論』
第十章　『東洋法制史本論』
第十一章　『伊勢神宮』の著述
第十二章　『日本憲法淵源《えんげん》論』
第十三章　大宝令《たいほうりょう》の研究
第十四章　博士の雑著及び事業
第十五章　学位授与の顛末《てんまつ》
第十六章　学問上における博士の進歩せる研究法
第十七章　博士の大患と新科学モラロジー（moralogy）の建設
第十八章　博士の皇室国家及びその先輩に対する至誠心の一斑《いっぱん》
　付録　広池博士の家族

『道徳科学の論文』第二版
　　　　　　　　　　　―追加文目録

（一）道徳科学《モラロジー》と宗教との相違点につきて
（二）唯我独尊の真の意味
（三）唯我独尊と執着心
（四）人間の進化
（五）万世一系の意味
（六）バッド・ヴェリエーション（芽条変異）の事実
（七）扁鵲《へんじゃく》の病六不治
（八）構成的原理と規制的原理との原意
（九）米国大統領リンカンの運命に関する補遺ならびに物質的にのみ他人を喜ばすることをもって善事と誤解せし人（資本家など）の末路
（一○）人間と動物との精神の差異
（一一）人間と動物とを区別する標準としての伝統尊重の観念
（一二）孝道に関する参考
（一三）カール・マルクス氏の所説の不完全ならびに資本と労働との真の意味
（一四）経済及び経済学に道徳を必要とする欧米学者の学説
（一五）ソクラテスの最後
（一六）モーゼの十誡《じゅっかい》
（一七）劉向列女伝《りゅうきょうれつじょでん》
（一八）帝道及び王道に対する覇道の意味
（一九）上　帝道と王道との相違ならびに北条、足利両氏の逆賊視せらるる理由
（一九）下　帝道と伝統との関係、四伝統に関する補説ならびに大義名分の意味
（二○）覇道の参考（財を奪うものは誅《ちゅう》せられ国を奪うものは賞せらる）
（二一）闕里《けつり》文献考
（二二）闕里広誌（宗子）
（二三）闕里広誌（賢裔誌《けんえいし》）
（二四）孔子の子孫
（二五）日本の古典に現れたる記事と神話に関する学者の正説
（二六）エチオピア皇室の万世一系の御事実
（二七）兵庫県下における千年家の事実
（二九）資本及び労働の真の意味と階級闘争の不合理性ならびに正義のみにては生きられざることを明らかにす
（三○）中国聖人のいわゆる天命の真意義
（三一）自我没却の参考（人心、道心、性善説、性悪説）
（三二）我慢心の弊害
（三三）絶対神の存在、付、人間のその階級を上《のぼ》る方法
（三四）上　伝統のこと、ならびに人の上に立つ人々は下の人に対しては全く服従の必要なきや否やの問題
（三四）下　人の上に立つ人々の誤れる観念と行動とその悪結果（資本家側の反省）
（三五）上　精神伝統、帝道、王道、天爵、モラロジー団体等の意味に関する再説明
（三五）中　精神伝統尊重と人間進化の真の方法
（三五）下　精神伝統に同化するものにしてはじめて真の永久性及び末弘《すえひろ》性あること
（三六）古聖人の実行における伝統尊重の事跡
（三七）純粋正統の学問の必要（正統の学問は何人にも必要なること）
（三八）『貞観政要《じょうがんせいよう》』の要旨（純臣登用の必要）
（三九）政治及び教育の根本原理に関する重要なる補遺、付、本書に多く字書を引用せることにつきて弁明す
（四○）人間生活〈精神生活・物質生活〉の基礎原理としての最高道徳
（四一）財政及び財政学とこれに対する聖人の教説
（四二）指導階級と被指導階級との幸福の差（指導階級にまで上らねば人生に十分の価値なきこと）〈ならびに金を儲くることは易く、これを使う方法は難しということ〉
（四三）人心の開発もしくは救済の効果に関する仏教における教説（貧女の一灯及び中国の実例）
（四四）知識階級もしくは上流階級に最高道徳の理解せられがたき理由
（四五）物質救済に対する注意
（四八）困果律上の重要注意
（四九）因果律（各個人の階級の生ぜし原因及び人間実生活の標準は自然の法則にあること）
（五○）因果律（人の盛衰は運命により、運命は積徳によることを明らかにす）
（五一）諸葛孔明《しょかつこうめい》の目的不達成と中国の国体とにつきて（帝道及び王道の再説）
（五二）因果律（学問上、千古《せんこ》の謎《なぞ》であったところの中国の大歴史家司馬遷《しばせん》の因果律に関する疑惑を解く）
（五三）利己的本能に基づく道徳の実行と天地の公道に基づく道徳の実行との結果の差、至誠、慈悲及び自己反省等の意味、付、予の過去における最高道徳実行の結果
（五四）因果律に関するドイツ歴史家ランケの説
（五五）霊魂不滅に関する説明
（五六）教育上ならびに実生活上に道徳の標準を定むる必要
（五七）最高道徳の実行と生存の真の方法（政策的行為の価値）〔注〕第二版で、すでに本文中に挿入ずみ
（五八）善事累積の効果
（五九）孔子の小正卯を誅せし記事補遺（ジャーナリズムの弊害に関する説明）
（六○）創業と守成とに関する『貞観政要』の記事
（六一）第二巻第八章の格言（百二）の「天命に従い、しこうして曲《つぶさ》に人事を尽くす」に関する説明
（六二）第二巻第八章の格言（百九）の割注における「事を謀《はか》るは人にあり事を成すは天にあり」の説明（人間は好運命を造らざれば、いかなる力を有するも真に成功せず）
（六四）アメリカ及びイギリスにおける倫理協会及び世界各国における種々の教育施設に関する批判
（六五）利己的本能に関する重大なる注意
（六六）天地の公道の本質、社会学にいわゆる社会構成の原理ならびにモラロジーにおける社会構成の原理
（六七）実際と学問との関係、モラロジーの本質、伝統の原理及び至誠と慈悲との再説（六八）普通にいわゆる「利己心」と聖人のいわゆる「己利《こり》」との区別
（六九）自然律に対する罪悪と人為法に対する罪悪との軽重（因果律の参考）
（七○）中国における孔夫子崇拝の思想の復活

（七○）以上 （七○）迄


改訂版 モラロジー概説 本の目次

改訂版の発刊に際して

第一部　基礎編

第一章　モラロジーと最高道徳
第二章　人類の課題と道徳の必要性
第三章　人間存在の成立条件
第四章　人間の本性と道徳性の発達
第五章　人類社会の発展と道徳の進歩
第六章　道徳の実行と品性の完成

第二部　実践編

第七章　最高道徳の諸原理
第八章　自我没却の原理
第九章　慈悲実現の原理
第十章　義務先行の原理
第十一章　伝統尊重の原理
第十二章　人心開発救済の原理
第十三章　道徳的因果律の研究
第十四章　最高道徳実行のすすめ

　平成八年六月三十日
財団法人　モラロジー研究所

一九八二年九月二十日
　　財団法人　モラロジー研究所所長

道徳科学の論文-01 H13-06-15-21:29 第一冊 から 第二冊 迄
H13-06-15-21:29 第十冊 道徳科学の論文の付録
道徳科学の論文-02 H13-06-28-18:49 第三冊 から 第六冊 迄
道徳科学の論文-03 H13-07-13-08:49 第七冊 から 第八冊 迄
道徳科学の論文-04 H13-10-16-10:25 第九冊 から 第九冊 迄
道徳科学の論文-05 H13-10-16 22:00 以下 編集 記入完了 御幸

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